被保険者の区分
1.被保険者の区分
”失業保険”は誰でも貰うことができるのでしょうか。
計算した時に意外と高額、という場合もあることでしょう。
この位の金額を貰うことができるのであれば、思い切って会社を辞めてしまおう、などと考え易いものです。
ですが、ある一定の制限があり、失業をした人全てが失業保険を貰うことができるわけではないのです。
では、どのような人が当てはまるのでしょうか。
雇用形態には決められた区分があります。
その区分に対してそれぞれ受給資格の要件が異なってくるのです。
例えば、長時間勤務する人と短時間勤務とでは保険料納付金額も異なってきますし、働き方によって失業する危険率も違うなどという国の配慮ということでしょう。
では、具体的にどのような区分とされているのでしょうか。
◇一般被保険者;対象となるのが65歳未満の常用労働者で職業の例として、サラリーマンやパートタイムで働く労働者としています。
◇高年齢継続被保険者;対象として65歳を超えて引き続き雇用される者等となり、職業の例は、65歳になる前から同じ会社に勤務している労働者としています。
◇短期雇用特例被保険者;季節的に雇用される者等を対象とし、職業の例は、季節的に雇用される労働者とされています。
◇日雇労働被保険者;日雇労働者等を対象とし、職業の例として、日々雇用される労働者、30日以内の期間で働いている労働者としています。
このように被保険者は4つの区分に分かれることになります。
この区分によって受給資格が異なってきますので確認が必要となります。
2.様々な被保険者①
一般被保険者と高年齢継続被保険者では”前提”が異なってきます。
65歳の誕生日の前に離職するのか後になるのかによって”失業保険”が大きく変わることを意味しているのです。
では、この65歳という年齢によって何が変わってくるのでしょうか。
大きく変わってくるものが、失業保険の”総支給額”です。
具体例を挙げてみると、64歳で自主退職した一般被保険者に対して失業保険を貰う事のできる最大合計金額は約100万円に対し、65歳を過ぎて退職する高年齢継続被保険者に対して失業保険を貰う事のできる最大合計金額は約30万円とされています。
最大で約70万円もの差が生じてくるということになります。
前者の場合には、分割支給、後者の場合には、一括支給という違いはありますが、70万円という金額は大きくなることでしょう。
離職日が何歳というところも重要なチェックポイントとなるようです。
次に、給付の条件は被保険者の4つの区分によって異なりますが、短期雇用特例被保険者とはどのような働き方を指すのでしょうか。
◇短期雇用特例被保険者;季節的に雇用されている労働者(出稼ぎ)などを指していますが、区分と条件があります。
季節的に雇用される者とする区分においての条件は、季節業務に期間を定めて雇用される者、又は、季節的に入・離職する者としています。
一方で、短期の雇用に就くことを常態とする者とする区分においての条件は、過去一定期間に2回以上、且つ1年未満の雇用を繰り返してきた者、そして上記の条件を満たし、今後雇用される場合も1年未満の契約期間である者とされています。
3.様々な被保険者②
給付の条件は被保険者の4つの区分によって異なりますが、最後に、日雇労働被保険者とはどのような働き方を指すのでしょうか。
◇日雇労働被保険者;適用事業所に使用される日雇労働者となりますが、他の被保険者の基準と比べて失業保険の条件とはかなり特殊な基準となっています。
では、日雇労働被保険者が失業保険給付を受けることができる基準を見ていきましょう。
日々雇用される者または30日以内の期間を定めて雇用される者を日雇労働被保険者の基準としていますが、この条件を満たしていたとしても、離職前の2ヶ月間の各月で18日以上同一の事業主に雇われた者、という制限を受けた場合には、日雇労働被保険者にならない、とされています。
制限がかかった場合には、日雇労働被保険者ではなく、一般被保険者となるということです。
雇用保険から除外されてしまったということではありません。
ですが、”特例”があります。
その特例とは、制限にかかってしまった場合であっても、一般被保険者には変更されずに日雇労働被保険者のままにしてくれるという例です。
特例を誰でも受けることができるということではありません。
ハローワークの認可を受けることが必要となります。
その条件とは、判断つけ難いものとしますが、適応区域外の地域から通いながら働いている、または、指定区域になっているなどが挙げられています。
微妙な境界線と思う人は切り替わる可能性もありますので、ハローワークでの相談をお勧めします。