基本手当、就業促進手当、教育訓練給付
1.基本手当
失業保険というのは働いていた人が失業した場合に、一定期間、一定金額の保険金を支給することによって、生活の安定を保障しようとする社会保険です。
失業保険は「求職者給付」「就業促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」と別れておりそれぞれの中も細かくわかれています。
一般的に基本手当を失業保険と呼びますが、これは、求職者給付の中のひとつです。
基本手当というのは、働いていた時に雇用保険を払っていた被保険者が退職して、働く意思と能力があるのに再就職できない場合に、失業中の生活を心配せず新しい仕事を探し再就職の支援のために支給されるものです。
会社を辞めたら必ずもらえると思われがちですが、会社を辞めた人全てがもらえるわけでなく、受給するためにはいろいろな条件と区分けがあります。
■基本手当が受給できない場合
ハローワークで求職申込みを行って、就職する積極的な意思と就職できる能力があることが認められ、しかも仕事に就くことができない状態なのが、失業保険の給付の条件です。
基本手当は再就職支援の為の手当なので、就職する意思が無い人または働けない人に給付はありません。
一般的に以下のような事例があります。
・退職後、海外に留学している間など、求職活動をしていない場合。
・失業保険をもらいながら、バイトで十分な収入を得ている場合。
・月に1社だけしか就職活動をしていないような場合。
規定の就職活動と認められないので給付金はもらえません。
健康上の理由からすぐには働くことができないような場合でも、すぐには失業保険はもらえませんが回復するなどして働ける状態になれば、申請して失業給付を受けられます。
これらの場合は受給期間を延長することもできます。
2.就業促進手当
失業保険の種類 「就業促進手当」とは
失業保険は「求職者給付」「就業促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」と別れておりそれぞれの中も細かくわかれています。
就業促進手当は、就職促進給付の中の1つで、再就職手当と就業手当の2種類があります。
再就職手当は受給資格者が安定した職業に就いた場合に、支給される給付金です
■再就職手当の受給条件
基本手当の受給資格があって、安定した職業に就いた場合。
基本手当支給の残りの日数が3分の1以上で45日以上ある場合。
離職前の事業主に再び雇用されたり、待機期間が経過した後に職業に就いた場合などは給付されません。
■支給額
所定給付日数の支給残日数×50~60%×基本手当日額
日額の上限は5,915円(60歳以上65歳未満は4,770円)です。
就職手当は受給資格者が短期アルバイトなどの非常用型の仕事に就いた場合に、基本手当の代わりに支給される給付金です。
■就職手当の受給条件
基本手当の受給資格があって、再就職手当の支給対象とならない場合。
基本手当の支給の残りの日数がの3分の1以上、45日以上ある場合。
離職前の事業主に再び雇用されたり、待機期間経過後に職業に就いた場合などは給付されません。
■支給額
就業日×30%×基本手当日額
日額の上限は1,774円(60歳以上65歳未満は1,431円)です。
3.教育訓練給付
失業保険は「求職者給付」「就業促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」と別れており、それぞれの中も細かくわかれています。
教育訓練給付制度というのは働く人の主体的な能力開発の取組みを支援して、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした雇用保険の給付制度です。
資格をとったり、講座を受ける為の費用の一部を行政が負担してくれる制度ということです。
その条件は次のようになります。
厚生労働大臣が指定する教育訓練で、その教育訓練を修了した場合にのみ給付。
支給要件期間(雇用されていた期間)は3年以上から。
教育訓練給付は、在職者でも受けられます。
該当講座は簿記検定や、社会保険労務士などですが、他にも多くの講座が「厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム」に載っています。
■給付金額
厚生労働大臣が指定した教育訓練を受けて修了した場合に、受講のために受講者本人が教育訓練施設に対して支払った教育訓練経費の20%に相当する額をハローワークから支給。
ただし、その20%に相当する額が、10万円を超える場合の支給額は10万円、4千円を超えない場合は教育訓練給付金は支給されません。
■支給申請手続き
教育訓練を受講した本人が、受講修了後にハローワークに対して行います。代理提出は認められません。
また、申請時期は、教育訓練の受講修了日の翌日から起算して1か月以内です。
これを過ぎると申請は受け付けられません。