フレックスタイム・時間外労働・休日労働について
1.フレックスタイムについて
使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定
(労使協定)により、フレックスタイム制を採用することができる。
労使協定で定める内容
対象労働者の範囲
清算期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間(※特例事業場の場合は44時間)を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1箇月以内の期間に限りす。)
※特例事業場:
常時10人未満の労働者を使用する商業、映画・演劇業(映画制作の事業を除く)、保健衛生業、接客・娯楽業 が該当します
清算期間(1ヶ月間)における総労働時間
標準となる1日の労働時間
コアタイムを定める場合又はフレキシブルタイムに制限を設ける場合は、その時間帯の開始及び終了の時刻
*コアタイム:
必ず労働しなければならない時間帯のことです
*フレキシブルタイム:
労働者がその選択により労働することができる時間帯のことです。
●ポイント
フレックスタイム制とは、始業及び終業時刻の両方を労働者の決定にゆだねるものであるので、始業及び終業時刻の一方のみをゆだねるのもでは足りません。
フレックスタイム制を採用した場合でも、休憩の規定は排除されるわけではありません。
フレックスタイム制を採用した事業所の労働者が、年次有給休暇を取得した場合はその日は労使協定で定めた「標準となる1日の労働時間」、労働した扱いとなります。
フレックスタイム制を採用している事業場でも、一斉休憩の例外にあてはまらない場合は、労働者に一斉に休憩を与えなければなりません。
2.時間外労働・休日労働について
●三六協定による時間外・休日労働(法36条)
使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定(労使協定)をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、法定労働時間(1週40時間又は1日8時間)若しくは法定労働時間の特例(1週44時間)、又は休日(毎週1回又は4週間に4日)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところにより労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
三六協定で定める事項
時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由
業務の種類
労働者の数
1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間又は労働させることができる休日
有効期間の定め(労働協約による場合を除く。)
労働時間延長の限度に係る基準
厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、労使協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができます。
36協定を締結する使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が基準に適合したものとなるようにしなければなりません。
行政官庁は、この基準に関し、36協定を締結する使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができます。
厚生労働大臣が定める具体的な限度時間
一定期間 限度時間
1週間 15時間( 14時間)
2週間 27時間( 25時間)
4週間 43時間( 40時間)
1箇月 45時間( 42時間)
2箇月 81時間( 75時間)
3箇月 120時間(110時間)
1年間 360時間(320時間)
カッコ内は1年単位変形労働時間制により労働する労働者
(対象期間が3箇月を超える者に者に限る)についての
限度時間
●限度時間の基準に関する例外
次の事業又は業務に係る36協定については、延長時間にかかる上記の限度時間は適用されない。ただし、Cについては1年間の限度時間(360時間)の規定は適用されます。
A.工作物の建設等の事業
B.自動車の運転の業務
C.新技術・新商品等の研究開発業務
D.その他厚生労働省労働基準局長が指定する事業又は業務
(郵政事業の年末年始における業務など)