びっくり昇給~人が足りない
1.びっくり昇給
給料のことで呼び出しがありました。
吸収合併されてしまった会社は立場が弱いはず。
そんな中での給料の話は嫌なものだろうと思ってました。
今後の給料体系はこのようになると、サンプルの給与明細を見せられました。
それによると、今までとは大きく変わって、「年齢給」とか「勤続給」とかいった項目が新たにできました。
これを見る限りは年功序列型の給与体系。
こういった給与体系は確かに楽といえば楽なのかもしれませんが、なんだか時代に逆行しているような感じ。
それと同時に昇給についての話もあったのですが、驚いたことに、なんと!なんと!なんと!昇給額が2万円!!
ちょっと耳を疑いました。
こんな昇給はかつて経験したことがありません。
バブル時代さながらの昇給です。
というかバブル時代でもこれほどの昇給はなかなか難しかったことでしょう。
「社長と話し合った結果、これだけの昇給額に決めた。」と言われましたが、結局、はっきりした理由を教えてくれませんでした。
他の人よりも給料が低めで可哀想だと思ってくれたのかも知れません。
が、これはあくまでも推測で、今なおこんなべらぼうに上げてくれた理由はさっぱり分かりません。
これほどの昇給ですから、もちろんメチャメチャ嬉しかったのですが、なんだか怪しい昇給だという感じがしないでもない。
まぁ、良く分からないが、親会社と合併してくれてよかったとしよう。
2.人が足りない
入社した翌年の1月。その頃、本来であれば3連休だったのですが、すべて休日出勤しなければならなかった程、忙しくて目が回りそうな状態でした。
いつぶっ倒れてもおかしくない程だったんですが、そんなことにでもなったら、周りにメチャメチャ迷惑がかかるのが分かっているので、帰宅したらすぐに布団の中に入り、出来る限り体を休めるように心がけてました。
こうやって、私はどうにか乗り切っていったのですが、しかし、乗り切れない人がいたのです。
その人とは・・・工場長なんです。
しかも長期の入院。
実は、その頃、工場長は休みがちで、それだけでも周りが騒然となったのに、長期の入院までされると、なおさらのことです。
一時は会社全体が大混乱に陥ったのです。
実は、工場長は私よりも2ヶ月ほど早く入社したにすぎず、私とほどんど同期といっていい感じです。
で、彼は半年程で、工場長に抜擢されました。
抜擢された理由は、ひとつには長年勤めていた優秀な先輩社員達が、私が入社して数ヶ月後に、皆辞めてしまったからという事情があったからなのです。
どうやらその方達が辞めてしまうということは以前から決まっていたようで(そのおかげで工場長や私は入社することが出来たのだ)、当時何にも知らなかった私は、なぜこんなに社員が多いのかずっと疑問に思ってました。
ちなみにこれほど多くの方が辞めてしまった理由については、どこにでもあるようなささいな会社への不満が原因なんです。
そして、ある人が辞めるのなら俺も辞めてやるって感じで、芋づる式に辞めたい人が次から次へと出てきたようなんです。(この事実を知ったとき、なんと幼稚な先輩達だと呆れ果てました。)
話がそれましたが、工場長が入院したことによって、工場を管理する人がいなくなってしまったのです。
それで、しばらくの間は、工場長がやっていた管理業務の一部を私がやるハメとなってしまったのです。
現場の仕事をこなしながらの管理業務。
しかも工場長は突然入院したので、引継ぎなんて当然のことながら全くありません。
これは大変なことなんですよ!!
だって、工場長が入院した原因は、慣れない工場長の仕事で精神的に参ってしまったってことなんだから。